中クリックでコピペさせろ!? Vine Linux 4.0リリース。
以前よりリリース間近の評価版(RC2)のことを書きましたが、2006年11月22日(水)にVine Linux 4.0が正式リリースされました。Vine Linuxのメジャーバージョンアップは約2年ぶりで前バージョンは3.2でした。それ以前は2.6等のバージョンがありましたがVineシリーズのサポートは1世代前までというルールがありますので、今回の4.0正式リリースに伴い2世代前のVineLinuxのサポートは打ち切りとなります。
さて、新しくなった項目を見てみましょう。
デスクトップ
GNOME 2.14 の採用
Gnome-2.14.2 を中心に GTK+-2.8, GLIB-2.12 のコンポーネントに更新しました。GNOME/GTK+ テーマを新しい Clearlooks ベースの Vine Linux テーマに変更しました。
OSの顔となるデスクトップ、GNOMEのバージョンが2.14にFedora Core 6が2.16、同5が2.14だったと記憶していますが、ようやく追いついたという感じがしますが、元々Vine Linuxが教育目的のため、商業目的のPC LinuxであるRed Hat後継のFedora Projectとは目指すところが違うのでしょう。
最新の標準ブラウザ
Mozilla Suite にかわって、最新の Firefox コミュニティエディション 2.0 (Vine Linux 独自ビルド) を採用しました。
Vine Linux3.2でGUI利用時の標準のブラウザMozillaは起動に時間がかかる(重い)、不必要な機能が多い、検索バーがなく不便でした。結局、Firefox1.5が出て以降はそちらに移行していました。(CUIログイン時のブラウザはもちろんw3mが便利です。)
標準日本語入力システム
Canna および kinput2 にかわって、かな漢字変換エンジンとして Anthy、入力システムとして SCIM を採用しました。
これは正解かと思います。新しいバージョンのAnthyは優秀な変換エンジンですし、SCIMは定評のあるIMです。チープなマシンで使いたい私としてはコンソール利用時のIM起動、半角全角のon/offのキーカスタマイズができるか、橋渡しとなるツールの有無などが気になります。
新しい標準フォント
VL ゴシックフォントファミリを標準のフォントとして採用しました。ユーザインタフェース, TeX および印刷に標準フォントとして使用されます。
まだ、見ていないのでなんとも言えません。以前の字体がそんなに見づらいとは思わなかったので、劣化していないのなら及第点。
メディアプレーヤの採用
動画プレーヤとして Totem を採用しました。また、音楽プレーヤとしてこれまでの XMMS にかわって BMP (Beep Media Player) を採用しました。
XMMSは劣化版Winampの様なソフトだったので、新しいメディアプレイヤーに期待。ぼちぼち、携帯プレイヤーに対応するか?
ドキュメントビュア
PDF, Postscript などのドキュメントを閲覧するツールとして GGV, Xpdf 等のかわりに Evince を採用しました。
Adobe ReaderのLinux版でいいのでは?PDF作成にはOpenOffice が使えることですし。
標準メールクライアント
Sylpheed 1.x にかわり GTK+2 を利用する最新の Sylpheed-2.2.10 へ更新しました。
SylpeedはMSのOutlookっぽい地味目なメーラです。メーラーの特徴は以下を参照。スパム対策が強化されているとよいのですが。
http://sylpheed.sraoss.jp/ja/features.html
TeX 環境
teTeX 3.0 / ptetex-20061025 へ更新しました。
最近はあまりTeX(てふ)を使っていないので評価しずらいのですが、時間があれば機能評価してみようかと思います。
カーネル
Kernel 2.6 へ更新
kernel 2.6.16.29 および多数のドライバの追加・更新により、多くのデバイスに対応しました。
Kernel-2.6.16.29
ドライバの更新
(e1000, sky2, skge, r8169, alsa, libata 等)
ドライバの追加
(r1000, ivtv, unicon, unionfs, squashfs, bcm43xx, sdhci 等)
software suspend2 による安定したハイバネーション機能 (x86版のみ)
ipw2100/ipw2200 で利用するIntel無線LAN用のファームウェアを収録
kernel-module パッケージの追加 (x86版のみ)
ndiswrapper や madwifi、pcc-acpi といった外部モジュールパッケージを提供しました。
SMPカーネルを統合
マルチプロセッサカーネルとシングルプロセッサカーネルを1つに統合し、1種類のカーネルで複数のプロセッサを認識するようになりました。
カーネルパッケージの自動アップグレード対応
従来のユーザによる手動操作を必要としたカーネルアップグレード処理を改良し、その他のパッケージと同様に自動的にアップグレードされるようになりました。システムコンポーネント
X の更新
X.Org X11R6.9.0 + バックポートドライバ
ATI, NVIDIA, Intel ドライバの更新
915resolution の採用 (x86版のみ)
Intel 8xx/9xx の内蔵グラフィックスを用いたノートPCなどでワイドモニタのような特殊解像度で X を動かすことが可能になりました。
デバイスファイルおよびホットプラグ機構の変更
Kernel 2.6 の採用に伴いホットプラグ機構およびデバイスファイルシステムとして HAL/udev を標準として採用しました。
ブートローダの変更 (x86版のみ)
LILO にかわって Grub を標準のブートローダとして採用しました。
セキュリティレベル設定
FC 由来の system-config-securitylevel によりインストール時やデスクトップメニューから iptables ベースのセキュリティレベルの 設定が可能になりました。
カーネルのバージョンアップにより、周辺機器のドライバが追加されたようです。最新のnVidiaとATIのビデオカードもカバーするそうです。ほかにもマルチプロセッサカーネル対応やカーネルの自動アップデートなど機能強化。ブートローダがLILOからGrubへ変更。
PC利用する上での主要な変更はこのような感じでしょうか。ブートセレクターがGRUBになるのはx86(i386)のみとありました。今晩、アップグレードにトライしてみます。