文献管理ツールPubMedを導入してみた

研究で使う journal のPDFは知らない間に貯まっていきます。最近はPLoS(Public Library of Science)のようなpublic accessの活動に限らず、各出版社の商用データベースでも Open Access で読めるものがあります。もちろん、コアな論文やバックナンバーは閲覧契約をしている機関(たとえば図書館や大学、官や民の研究機関)内部のIPからでないとFull TextやPDFダウンロードに接続できないのですが。
さて、これらの電子ジャーナルを後で読み返そうと思ったときのMethodとして、プリントアウトしてファイリング、ディレクトリ分類、ファイル名称リネームして管理、そして専用の文献管理ツールと選択肢があるわけですが。まず、プリントアウトは資源やコストの面で必要最小限に留めたい(しかしながら、携帯性・視認性・ファイルへのアクセス時間は紙媒体に分があると思います)し、手動でのディレクトリ分けは意外とジャーナルに種類があり、それぞれに号もあります。ナンバリングして管理すると論文タイトルや著者名が分からなくなって、結局探すハメになることも。かといって、検索前提でファイルをTitleにリネームするとファイル名が長すぎるし、Unix環境ではスペースを許さないという制約もひっかかります。(以前の失敗談として貯まった文献PDFをDVDに焼こうとしたらファイル名長すぎるとエラー警告がでました。)
そこで、専用のツールを導入したいわけですが市販のものはアカデミックライセンスでも結構値が張ります。フリーソフトもいくつかありますが、発展途上だったり開発修了だったりしたので悩んでいたところ、XOOPS CUBE のモジュールに PubMedに対応したものがあることを知り、これを導入しようと思いました。PubMedというのは米NCBI(National Center for Biotechnology Information)が提供する医学、生命科学を中心としたオンラインデータベースのサービスで、各出版社の Journal 論文の要旨ごとにPMIDと呼ばれるIDが割り振られており、このIDを用いることで文献管理ツールはデータベースの情報を読みに行くことができます。PubMedModuleに限ったことではないのですが、IDとPDFを準備することで、文献を書籍名、著者、出版年、号に簡単に分類でき、文献に関する note をつけることができます。
やり方ですが、XOOPS CUBEの導入前にApachePHPMySQLなど必用な環境を準備しなくてはなりません。個別にやると全体像が見えてスッキリするのですが、今回はWebサーバー立てやサーバーサイドプログラムの勉強ではないので、実験開発環境XAMPP(ざんぷ)を使いました。これは前述の必用環境を一度にインストール、相互間連携設定をおおよそやってくれます(若干、微調整した気もします)。昔、LinuxにあったLAMPPが他のOSに対応するようになり、名前がXAMPPに変わったそうです。最新バージョンのXAMPP1.7.0ではApache 2.2.11、MySQL 5.1.30、PHP 5.2.8 ・・・etc. となっていました。(個別導入の場合は各バージョン違いでの整合性は自分でみる必用があります。PHPの4系と5系では大きく変わった点もあり、ひょっとすると動かないXOOPSモジュールがあるかもしれません。)
話を本論に戻しましょう、XAMPPの導入が修了したら XOOPS CUBE のインストールを行います。インストールを詳しく説明した書籍やホームページは散在していますので、ここでは触れないことにします。いずれ、機会があれば書くかもしれません。XOOPSのモジュールはファイルを所定の場所に準備すれば管理画面から簡単にインストールできます。パーミッションやブロックの配置を決めたらブラウザから気楽に使える文献管理システムの導入完了です。


XOOPS Cube コミュニティサイト構築ガイド

XOOPS Cube コミュニティサイト構築ガイド

XOOPS Cube Legacy デベロッパーズ・バイブル

XOOPS Cube Legacy デベロッパーズ・バイブル


(つづく・・・
・・・・・・・・・
・・・のかな?)



2009-02-12 追記

PubMedModuleのサンプルですがはてなの画像アップロードの仕様で高解像度にならなかったので少しみづらいです。呼んでいる論文にぼかしがかかったのでよしという事でお願いします。